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環境省が呼びかけ、あなたも光害調査に参加できます
「最近、星が見えにくくなった」と感じたことはありませんか。環境省は毎年夏と冬、全国の人々に呼びかけて星空の観察を行う取り組みを続けています。令和8年度の夏の観察期間は8月3日(月)から8月16日(日)まで。専門知識がなくても、肉眼やデジタルカメラで誰でも参加できる、身近な光害調査です。
https://www.env.go.jp/press/press_05362.html
本記事は、環境省が2026年7月27日に発表した報道発表資料をもとにご紹介します。
25年の歴史を持つ「全国星空継続観察」
この取り組みのルーツは意外と古く、環境省(当時の環境庁)は昭和63年(1988年)から平成24年(2012年)まで、25年間にわたり「全国星空継続観察」を単独で実施してきました。その後、平成30年度(2018年)からは、市民天文団体「星空公団」との共同実施という形で、夏・冬それぞれの観察を継続しています。
目的は、光害防止の重要性や大気環境保全への関心を深めてもらうことに加え、澄んだ星空を観光や教育といった地域資源として活用してもらうことにもあるといいます。
肉眼で参加:天の川観察シートとGlobe at Night
肉眼での参加方法は2通り用意されています。1つ目は「天の川観察シート」を使う方法で、はくちょう座・たて座・いて座付近など、高度の異なる3か所の天の川部分がどこまで見えるかを、8月3日から16日の日没後1時間半以降に観察します。
2つ目は「Globe at Night」への参加です。
Globe at Night 夜空の明るさ世界同時観察キャンペーン
これは米国の研究機関NOIRLabが2006年から主催してきた国際プロジェクトで、ヘルクレス座やはくちょう座周辺の星を観察し、あらかじめ用意された8枚の星図の中から最も近い見え方を選んで「ダークスカイ・ジャパン」のウェブサイトに報告します。
集まったデータは世界中で共有され、星座がはっきり見える場所を明らかにする資料になるといいます。以前の記事でご紹介したメイン州の「Globe at Night」も、まさにこの国際プロジェクトのことです。
デジタルカメラでもっと客観的に
肉眼観察に加えて、より客観的なデータを集める手段としてデジタルカメラによる夜空の明るさ調査も実施されます。天頂付近の星空を撮影し、日没後1時間半から3時間半の間の2時間(例えば日没が17時なら18時30分から20時30分)に撮影したデータを、専用サイト「starwatching.jp」から報告する仕組みです。データの報告期限は9月4日までとなっています。
継続観察の登録地点として撮影する場合は現在、山形・石川・大阪・奈良・徳島・香川・佐賀・長崎の登録数が少ない8県のみ新規募集を受け付けており、希望者は環境省(hikari@env.go.jp)へ事前連絡が必要です。登録地点以外であれば、対応が確認済みの機種のカメラを使い、全都道府県から参加でき、投稿するとその場で速報値が表示されます。
集まったデータはどう使われるのか
こうして全国から集まったデータは、個人が特定されない形で星空公団や環境省のウェブサイトを通じて公開されるほか、メディアや学会などで発表されることもあるといいます。環境省の環境GIS(地理情報システム)上では、継続観察登録地点ごとの結果が地図の形で示され、自分の住む地域の夜空がどれくらい明るいのか、あるいは暗いのかを、全国的な比較の中で確認できるようになっています。
以前の記事で紹介した米国の州や自治体の光害対策の多くが規制や罰則を中心にしていたのに対し、日本のこの取り組みは市民参加による地道なデータ収集という、異なるアプローチで光害問題に向き合っている点が特徴的です。
特別な機材がなくても参加できる
難しい機材や専門知識がなくても、澄んだ夜空をただ見上げて観察シートに記入するだけでも立派な参加になります。デジタルカメラを持っている方であれば、決められた時間帯に天頂を撮影して投稿するだけで、全国的な光害マップづくりに貢献できます。
お盆の帰省や夏休みの旅行先で、いつもと違う夜空を見上げる機会がある方も多いのではないでしょうか。8月3日から16日という限られた期間ですが、今年の夏はぜひ、身近な星空観察に参加してみてはいかがでしょうか。
世界192か国がつながるGlobe at Night
Globe at Nightプロジェクトには、これまで世界192か国から算出で20万件以上の観察データが報告されてきました。国境を越えて同じ方法で星空の見え方を記録するこの取り組みは、光害が特定の国だけの問題ではなく、地球全体で共有すべき課題であることを、市民参加という形で実感させてくれる貴重な機会になっています。
まとめ
環境省が呼びかける「夏の星空観察」は、専門家でなくても、誰もが光害問題に参加できる貴重な機会です。8月3日から16日までの期間、肉眼でもデジタルカメラでも構いません。夜空を見上げて記録することが、そのまま全国・世界規模の光害調査への貢献につながります。
今年の夏は、星空観察という形で光害について考えてみてはいかがでしょうか。
出典: 環境省「令和8年度夏の星空観察について」(2026年7月27日発表、https://www.env.go.jp/press/press_05362.html)をもとに作成。