アメリカ・モンタナ州は、その壮大な自然と、都市の喧騒から離れた静寂が魅力です。夜空には無数の星が輝き、銀河がはっきりと見えることもしばしば。しかし、この美しい星空が、光害によってその輝きを失いつつあります。

Montana Learning Center shares ways to reduce light pollution / KTVH Feb 14, 2024(モンタナ・ラーニング・センターが光害を減らす方法を紹介 / 2024年2月14日)

KTVHの記事によると、モンタナ学習センターが提供する衛星画像は、2013年以降、ヘレナ地域の光害が人口増加に伴い顕著になっていることを示しています。国際ダークスカイ協会の調査にれば、アメリカでは照明による光の35%が無駄になっており、これは一人当たり年間10ドルのエネルギロスに相当するそうです。

光害の影響 – 星空だけでなく私たちの健康と生態系にも

では、なぜ光害は問題なのでしょうか?光害は単に美しい星空を奪うだけでなく、人間の健康にも悪影響を及ぼします。

LEDライトの青白い光は睡眠障害やうつ病のリスクを高めるだけでなく、肥満や尿、心臓病、さらにはがんへのリスクも増加させると言われています。

さらに、動物の行動パターンへの影響も無視できません。渡り鳥や海亀などが、光害によって生態系を乱され、生存に必要な行動パターンを見失ってしまうのです。

しかし、光害100%解決可能な問題です。モンタナ学習センターのRyan Hannnahoe氏は、光源を下向きに設置し、必要な時にのみエネルギー効率の良い照明を利用すること、白熱色でなく温かみのある黄色がかった光を選ぶこと、シールドを取り付けること、タイマーを設定することなど、具体的な対策を提案しています。

光害対策は自宅から – ダークスカイ認定電球と街灯シールドの選び方

一般の家庭でも、光害を減らすために設計されたIDA認定屋外照明器具(ダークスカイ認定)の電球を選ぶことができます。

IDA認定屋外照明器具

IDA認定屋外照明器具は、ダークスカイ(旧国際ダークスカイ協会・IDA)によって認定された屋外照明器具のことです。これは、主に光害を最小限に抑え、星空を見えにくくする上方への光の漏れがないことを基準としています[1][3]。具体的には、光害の影響を最小限に抑えるために、グレア(眩しさ)を抑えつつ、星空を保護するための照明基準を満たした照明器具です[3]。これにより、星空保護区で使用される照明として採用されています[3]。例えば、防犯灯や道路灯などがこれに該当します[4]。

引用:
[1] IDA認定屋外照明器具とは、何ですか。 – 高天井・屋外・スポーツ照明 – Panasonic
[2] ダークスカイ・ジャパン – 旧・国際ダークスカイ協会 東京支部 (IDA東京)
[3] 光害(ひかりがい)問題に対する取り組み 星空に優しい照明 DarkSky| 屋外用照明器具 | Panasonic
[4] 光害対策型の防犯灯・道路灯が、国内メーカー初(※1)「星空に優しい照明」の認証を取得

光害についてもっと知りたい方は、darksky.orgダークスカイ・ジャパン)を訪れてください。

終わりに

私たちは星空を守るために、日々の照明選び一つを見直すだで大きな歩を踏み出せます。

この記事が、光害について考え、行動を起こすきっかけになれば幸いです。星々が瞬く夜空は、私たちの遺産で、次世代にもその美しさを受け継ぐために、今、私たちにできることを始めしょう。