この記事は、コーネル大学が公開した「鳥の渡りをサポートするため、夜間の照明を最小限に抑え、ガラス面を扱う研究者の提言」の内容を基にしています。
はじめに
毎年、アメリカでは数億羽の渡り鳥が建物の窓やガラス面に衝突し、命を落としています。しかし、私たち人間がちょっとした対策を講じるだけで、多くの鳥の命を守ることができるのです。
今こそ、渡り鳥に目を向ける大切な時期なのです。
光害とは?渡り鳥にとっての脅威を知ろう
人工的な夜間照明に惹かれた鳥は、建物の周りに集まり、ガラスに衝突する危険にさらされています。「光害」とは、人工光が過剰に漏れ出し、周囲の環境に悪影響を及ぼすことを意味します。
研究によると、アメリカでは毎年10億羽以上の鳥が窓などに衝突して命を落としており、毎秒約30羽の鳥が犠牲になっているそうです。
さらに、夜間の照明に引き寄せられた鳥は、大気汚染物質の高濃度地域にも移動してしまうため、複合的な脅威に晒されてしまいます。このように、光害は渡り鳥の生存を脅かす深刻な問題なのです。
人々の無関心が招く悲劇
一方で、住宅地や低層ビルにおける鳥の窓ガラス衝突事故が最も多いことが分かっています。つまり、私たち一人一人の無神経な行動が、渡り鳥の命を奪っている可能性があるのです。
たとえば、夜間に不要な室内灯を点けっぱなしにしていたり、窓ガラスの反射を気にかけていないなどの些細な行為が、鳥の命を奪う一因になりかねません。
私たち人間が光の使い方を見直し、ガラスの扱い方を改善するだけで、多くの鳥の命が救えるはずです。
ささやかな対策で渡り鳥を守る
具体的には、夜間(11時~6時)の不要な照明を消したり、カーテンを閉めて室内の光を遮ることが有効です。また、外部照明にシールドを設置し、上空への光の漏れを防ぐことも重要です。
窓ガラスへの対策も欠かせません。空や木々の映り込みをなくすため、ガラス外面に2インチ間隔でデカール(転写シール)やひもを貼るなどの処置をすれば、鳥にガラスが視認できるようになります。
このような対策を2月15日から6月15日の春の渡り期間中に行えば、多くの鳥の命が救えるはずです。
光害問題の深刻化と我々の責任
光害問題は年々深刻化しており、特にアメリカ南東部、メキシコ、中米地域での夜間照明の増加が顕著だそうです。
一方、ある研究では、照明面積を60%削減するだけで、大量の鳥の死を食い止められたことが分かっています。つまり、一人一人の小さな行動が大きな影響を与えうるのです。
私たち人間は、自然と共生し、次世代に自然を残していく責任があります。ささやかな対策を講じることで、渡り鳥の安全を守り、健全な生態系を維持できるはずです。
BirdCastで渡りの見通しを確認
BirdCastというウェブサイトでは、最大3日先までの鳥の渡りレベルを地域別に予報してくれます。(アメリカ国内の情報のみです。)
郡レベルまで細かく、その日の上空を通過する渡り鳥の数がわかるそうです。このような情報を活用し、地域の実情に合わせた対策を立てるのも良いかもしれません。
まとめ
人工的な夜間照明が、渡り鳥の生存を脅かす「光害」問題について理解を深めていただけたでしょうか。
照明の適正使用やガラス面の処理など、些細な対策を行うことで、多くの鳥の命が救えます。豊かな自然を次世代に残すため、一人一人が意識を改め、行動に移すことが何より重要なのです。
ささやかな一歩から、共生社会への第一歩を踏み出しましょう。