本日はThePostの記事をご紹介します。
記事では、アテネ市と大学当局が街の安全性と環境保護の両立に向けた取り組みを紹介しています。街路灯の設置は犯罪防止に欠かせませんが、一方で光害による自然環境への影響も無視できません。関係者は光の過剰さを抑え、地域住民の生活の質を守りながら、適切な照明計画を立てる必要があります。
Public officials balance safety concerns, light pollution in Athens | April 3, 2024
(アテネにおける安全への懸念と光害のバランスを取る公務員たち)
私たちが夜間の明かりで恩恵を受ける一方で、地球環境への悪影響も生じています。
照明技術の発展で光源の明るさと省エネ性は向上しましたが、人工光の増加は野生生物の生態系に悪影響を及ぼす可能性があります。街の明かり過剰が、夜空の星々の眺望を阻害する”光害”の要因とも指摘されています。そこで、アテネ市と大学当局はこの問題にどう取り組んでいるのでしょうか?
光害対策の取り組み
市の施策
アテネ市では、条例により適切な街路灯の設置と光害対策が義務付けられています。具体的には以下の対策が講じられています。
- 街路灯の設置場所や仕様(ランプの種類、反射板など)の規制により、光漏れや上空への光の漏れを最小限に抑える
- 住宅地での光トレスパス(*)防止
- 違法な明かり過剰の是正
しかし、市の最優先課題は住民の安全確保であり、市民からは暗がりの多い地域への街路灯増設の要望が多数寄せられているそうです。
光トレスパス
隣家や道路等への不必要な光の漏れ出しのこと
大学の取り組み
一方、オハイオ大学でも、グリーンビルディング基準に基づいた屋外照明設置規制があり、夜間の天体観測に適した環境作りに取り組んでいます。大学と市当局は、観光資源としての星空保護にも協力して取り組んでいるそうです。
住民の声
しかし、一部の学生からは校内の暗がりが不安視される声も上がっています。女子学生会会計は、ネルソン食堂裏や川沿いの通路が暗くて不安だと指摘しています。大学の夜間校内パトロールにも参加し、危険箇所の確認に努めていますが、依然として改善が求められている様子です。
まとめ
照明設備の在り方については、市民の安全性と自然環境保護の両立が課題となっています。アテネでは一定の成果が見られますが、さらなる努力が必要とされています。人工光の適正な管理と、生物多様性の確保を両立できる賢明な街づくりが求められています。