皆さん、こんにちは。今日は、星空の保護という新たな取り組みについて、オレゴン公共放送(Oregon Public Broadcasting)の記事をもとにお話ししたいと思います。

The world’s largest ‘dark sky sanctuary’ is now in Oregon March 15, 2024(世界最大の「ダークスカイ聖域」がオレゴンに誕生 2024年3月15日の記事)

オレゴン州の新たな誇り

まずは、素晴らしいニュースから。オレゴン州の南東部に位置する広大な2.5百万エーカーの土地が、世界最大の「ダークスカイサンクチュアリ(暗闇の聖域)」に認定されました。この認定は、光害を減らすことを目的としたアメリカの非営利団体、DarkSky Internationalによってこの月に行われたものです。

星空の保護とは?

ここで一旦、光害とは何か、そしてダークスカイサンクチュアリの意義について触れておきましょう。光害とは、不必要または過剰な人工光によって夜空が明るくなり、星々が見えにくくなる現象のこと。これが生態系に悪影響を与えたり、天文学的観測の妨げになったりします。ダークスカイサンクチュアリとは、こうした光害から守られた地域のことで、星空の美しさと自然環境を保全するために設けられます。

サンクチュアリを支える人々

Travel Southern Oregonのディレクター、ボブ・ハケット氏は、この新しい称号が、星空が非常にクリアに見えるこの聖域と、土地の所有者たちの保全への取り組みを認めるものだと言います。彼らは「光を消す運動」ではなく、「良い光を使う運動」を推進しているとのこと。

この成果を得るためには、プロジェクトパートナーが照明管理計画を策定し、8つの州および連邦機関がそれに従うことに合意しました。そして今後10年以内に、聖域内のすべての光源がDarkSky Internationalの基準に適合するようになると言います。これには、タイマーやモーションディテクターの設置、光が上空に向かないように遮蔽すること、そして過度に明るくない光源の使用が含まれます。

自然と生態系への影響

自然資源計画者のドーン・ニルソン氏は、これらの措置が近隣の野生生物を保護すると述べています。彼女は、「すべての生物は昼と夜のリズムで進化してきた」と指摘し、人工の光によって基本的な概日リズムや配偶行動、餌探し等が乱れると説明します。

また、ニルソン氏は、ダークスカイは天文学愛好家にとっても重要な資源だと言います。彼女によると、聖域では銀河や星雲が肉眼で見えるとのこと。これは、オーストラリアのアウトバックや南アメリカ、アラスカ、アフリカの一部の地域でしか経験できない、ますます珍しくなっている体験です。

地域コミュニティとの関わり

オレゴン・アウトバック国際ダークスカイサンクチュアリは、プラッシュ、アデル、サマーレイクといった非法人地域を含んでおり、その半分以上がアメリカ合衆国土地管理局の管理下にあります。プロジェクトリーダーたちは、すでに隣接するハーニー郡やマルヒュア郡へのサンクチュアリの拡大作業に取り組んでおり、最終的な面積は1100万エーカーを超える見込みです。

まとめ

このようにオレゴン州の新たなダークスカイサンクチュアリは、ただ美しい星空を眺める場所であるだけでなく、自然との共生、生態系の保護、そして地域コミュニティの継続的な発展に貢献する大きな一歩と言えるでしょう。光害から守られた空の下で、私たち自身も天の川が煌めく姿を見上げ、自然の大切さを再認識する機会を持てたら素晴らしいですね。