
バージニア州議会は、光害の影響を最小限に抑えるための解決策を州民に考えてもらうことを奨励する決議を全会一致で支持しました。
バージニア州議会が、光害対策に関する決議案を全会一致で可決しました。この決議案は、夜空の美しさを守り、光害による環境への悪影響を最小限に抑えるための具体的な解決策を提案しています。
光害問題の共有
光害とは、人工的な照明によって自然な夜の暗さが失われ、夜空の星々が見えにくくなる現象です。年率9.6%の割合で世界的に広がっており、世界人口の80%が光害に悩まされています。
光害は野生動物の生態系を乱し、人の健康にも悪影響を及ぼすほか、年間約3000億ドルもの電力の無駄遣いを生み出しています。
バージニア州の取り組み
バージニア州議会は、4月の新月の週を「国際ダークスカイウィーク」と定める決議案を可決しました。
これにより、州民に夜空の大切さを呼びかけ、家庭や事業所の照明の見直しを促すことが期待されています。州内には、ジェームズ川、ナチュラルブリッジ、スカイメドウズ、ストーントン川の各州立公園が「ダークスカイパーク」に指定されており、厳しい照明規制の下、夜空の美しさを保っています。
州内の天文学者たちも、この問題に取り組んでいます。ランドルフ・メイコン大学のジョージ・スパーニャ教授は、アシュランド市と協力して同市の光害対策に尽力しました。また、チャペルヒル天文学会は、ストーントン川州立公園で年2回の星空観察会を開催しています。
光害対策の具体策
決議案では、以下のような光害対策が提案されています。
照明の適正化
- 必要な場所と時間にのみ照明を点灯する
- 照明の光量と色温度を適切に設定する
- 建物や駐車場の外部照明を見直す
啓発活動の推進
- 「国際ダークスカイウィーク」を通じて、夜空の大切さを広く周知する
- 子供たちが科学・技術・工学分野に興味を持つきっかけとする
法制化の推進
- 1958年にアリゾナ州で制定された最初の照明条例を参考に、法整備を進める
- 「ダークスカイパーク」の指定を増やし、厳格な照明規制を設ける
国際ダークスカイウィーク
「ダークスカイウィーク」の歴史は、バージニア州のミドロシアンとノースカロライナ州のビーチに端を発します。1980年代にダークスカイ協会が活動を始め、2003年に最初の「国際ダークスカイウィーク」が開催されました。
この決議の意義
この決議案は、単なる提言にとどまらず、具体的な行動計画と法制化の推進を盛り込んでおり、バージニア州における光害対策を大きく前進させる画期的な意義を持っているといえます。
夜空の美しさを取り戻し、環境への悪影響を最小限に抑えるための、包括的な取り組みが期待されます。
まとめ
バージニア州議会の決議案は、光害問題に対する具体的な解決策を提示しています。照明の適正化、啓発活動の推進、法制化の推進など、多角的なアプローチが盛り込まれています。
夜空の美しさを取り戻し、環境への悪影響を最小限に抑えるため、州民一丸となって取り組むことが期待されます。