
今回は2024年7月24日のLEDs magazineの記事を紹介します。
夜空の輝く星々を楽しむことができなくなっている現代社会。
この光害問題に取り組むべく、非営利団体のDarkSkyがLUCI(Lighting Urban Community International)という国際的な都市照明協会と提携し、光害対策に乗り出すことが明らかになりました。
光害の深刻化
DarkSkyの年次報告によると、人工照明の過剰利用が光害の主な原因となっているものの、屋外照明の機能的な有効性は非常に低いという指摘がなされています。
2023年にはLUCIが「都市照明の未来に関する宣言」を発表し、「光と闇の新たな調和」を求める呼びかけを行っています。
DarkSkyとLUCIの提携
DarkSkyのCEO、ラスキン・ハートリー氏は、「すべての生物のために光害を最小限に抑えることが重要」と述べ、LUCIとの提携を発表しました。
LUCIは世界67の都市と50の関連団体から構成される国際的な組織で、持続可能な都市照明の実現を目指しています。
「5つの原則」の推進
DarkSkyは、
「必要な場所にのみ光を使う」
「光が照らすべき範囲外に漏れ出ないようにする」
「照度を低く保つ」
「状況に応じて照明をオフ/調光できるようにする」
「青色光を避けた温かみのある色を使う」
といった「5つの原則」の実践を提唱しています。
これらの原則に沿った取り組みにより、都市部でも自然な夜空を取り戻すことができるとしています。
具体的な取り組み
LUCIの5つの作業部会の1つが「光害」です。
この部会では、公共の安全や活動、コミュニティ形成のための照明を、光害の影響を最小限に抑えながら実現する方策について議論が行われています。
DarkSkyはこの「光害」部会と協力し、上述の「5つの原則」の普及を通じて、持続可能な都市照明の実現を後押ししていきます。
光害の影響
光害は、夜空の星々の視認性を低下させ、「スカイグロー」と呼ばれる光の広がりを生み出します。
これにより、自然の暗闇を楽しむ機会が失われつつあります。
また、生物の概日リズムにも悪影響を及ぼすことが指摘されています。
都市照明の課題
都市部では、公共の安全や活動、コミュニティ形成のために照明が不可欠ですが、その一方で光害への配慮も求められます。
LUCIは、この両立を目指す取り組みを進めています。
まとめ
DarkSkyとLUCIの提携は、光害問題への本格的な取り組みの始まりを示しています。
都市部における持続可能な照明の実現には、「5つの原則」の実践が重要となります。
自然の夜空を取り戻し、生物の生態系を守るためにも、この取り組みに注目が集まることが期待されます。