皆さん、こんにちは。今日は、地域のニュースを取り上げたCBS放送の記事を紹介したいと思います。

光害を減らして星空を取り戻したいブリズベーンの女性/CBS news 2024.3.30

都市部での夜景は美しく見えますが、実は星空を見る機会を奪っています。それを解決しようと、ブリズベーン(カリフォルニア州サンマテオ郡の小さな都市)が取り組みを始めたそうです。

ブリズベーンに住むバーバラ・エーベルさんは、自宅の裏庭から見える夜空に物足りなさを感じていました。夜になると、空には輝く星がほとんど見えません。これは「光害」と呼ばれる、光の乱反射による現象です。星は隠れているだけで、実際にはたくさんの星が存在するのに、見えなくなっているのです。

光害(こうがい)とは、人工光が増えすぎることで、夜空が明るくなり過ぎてしまう状況のことです。これにより、夜空の美しい星空が楽しめなくなります。私たちの生活環境にも、動物の生態系にも影響があるため、何らかの対策が必要とされています。

市民と行政の取り組み

このような状況に危機感を持ったエーベルさんは、近隣住民や市と協力し、数年がかりで「ダークスカイ条例」を作り上げました。2024年1月に市議会で可決され、施行されることになりました。

https://www.brisbaneca.org/cd/page/dark-sky-ordinance (ブリズベーンのダークスカイ条例)

条例の内容と導入スケジュール

条例の主な内容は以下の通りです。

  • 新しい屋外照明、そして最終的にはすべての屋外照明が「完全に遮光された」ものでなければならない
  • 自動制御システムを導入する(商業施設は必須、住宅は任意)
  • 色温度が3,000ケルビン以下でなければならない(一時的な照明や特別なイベントは除く)

そして、導入スケジュールは以下の通りに定められています。

  • 2024年3月1日から、新規または交換する屋外照明は条例に適合したものでなければならない
  • 2025年3月1日までに、既存の照明を可能な限り修正する(遮光、調光、モーション制御の導入など)
  • 2029年3月1日までに、すべての商業施設の照明を適合させる
  • 2034年3月1日までに、すべての住宅の照明を適合させる
  • 2039年3月1日までに、すべての街路灯や市の施設の照明を適合させる

条例の執行と今後

市は、条例の順守を市民に求め、行政による是正勧告や制裁金などのペナルティを設けています。エーベルさんは「皆で協力し、10年後にはベイエリア全体で星空が楽しめるようになれば」と期待を示しています。

まとめ

ブリズベーン市の取り組みは、光害問題への一つの対処方法を示しています。早期の実施が望まれますが、市民の理解と協力があれば、徐々に効果が出てくるはずです。

日本の自治体でも参考になりそうですね。

夜空の星を取り戻すことは、私たちの生活の質を高める上でも重要なことです。他の自治体が同様の取り組みを始めれば、美しい星空を子孫に残せるはずです。