はじめに

最新のLED’s Magazineでは、英国における光害が健康に及ぼす影響と政府の対応が不十分であると批判されていつという記事が掲載されています。今回のブログでは、この課題について深く掘り下げ、私たちの生活における光害の影響と、それに対するイギリス政府の方針について解説していきます。

Parliamentary group insists that Government take action on U.K. light pollution(議会グループが英国政府に光害対策を要求 / 2024.2.3)

LED’s Magazineとは

LEDと照明の技術進歩、アプリケーション、市場動向に関する情報を提供する業界の専門誌です。編集内容は、製品開発から実践的デザイン、ビジネスインサイトまで多岐にわたります。

英国貴族院が光害の健康リスク認識し、国家政策と研究の必要性を訴え

2024年2月3日、英国のHouse of Lords Science and Technology Committee(貴族院科学技術委員会)は、光害を健康へのリスクとして捉え、国家政策と詳細な研究が必要だと訴えました。

光害とは、不自然な光によって生じる環境の問題であり、特に夜間の人工照明が原因となります。この問題は、人間の生物学的リズムを狂わせ、健康上の問題を引き起こす可能性があるため、無視できない問題です。

委員会は、光と騒音の汚染が現在無視されがちな汚染源であるにも関わらず、重要な健康への影響が指摘されており、公衆の関心も高まっていると述べています。そして、政府に対して光害を最小限に抑える政策についての声明を発行し、異なる部門がどのような役割を果たすべきかを明確にするよう求めています。

政府の光害対策への対応に失望した貴族院委員会、改善を求めて自然担当大臣に書簡を送る

しかし、Baroness Brown of Cambridge(ケンブリッジ男爵夫人)が率いるこの委員会は、政府からの12月1日の回答に失望しました。その中で、委員会の提案が拒絶されたと捉えられたのです。そこで今週、委員会は環境、食糧、農村事務省(DEFRA)の自然担当大臣であるRebecca Powに対し、書簡を送りました。

この書簡では、光害の公衆衛生上の危険性として、特に人の概日リズムの乱れを引き起こす問題が挙げられています。LEDの調整により概日リズムに利益をもたらす可能性については、LED’s Magazineも詳しく報じており、これは非常に注目すべき点です。

英政府、光害対策の詳細方針と追跡方法確立を拒否

政府は、光害に対する詳細な方針を確立し、それを追跡し報告する標準的な方法論を確立することを拒否しました。これには「技術的かつデータの問題」が解決される必要があるとのことですが、これは光害が悪化しているかどうかを追跡するための指標を開発・支持することさえ政府が能力不足である、またはそれをさらに発展させる意志がないことを示唆しています。

まとめ

光害は私たちの健康に深刻な影響を及ぼす潜在的な問題です。

イギリス政府がこの問題に対して積極的な対策を講じることは、公衆衛生の改善に繋がります。今日の記事では、英国の光害問題に対する政府の取り組みが不十分であること、そしてそれに対する科学技術委員会の懸念とアクションの呼びかけを見てきました。

日本においても一人一人がこの問題に目を向け、適切な行動を促すことが、より良い未来への第一歩となります。