
今回は、ロンドン市長がラスベガス風の巨大な球体型のエンターテイメント施設「スフィア」の建設計画を光害の問題などを理由に拒否したというニュースについて、取り上げたいと思います。
参考にしたのは、AV Interactiveというサイトの記事です。このニュースは、BBCやBNNなどの他のメディアでも取り上げられている話題です。
結論は、ロンドン市長のサディク・カーン氏は、スフィアの建設計画に対して、住民の生活に及ぼす光害や環境への影響、歴史的な景観への損傷などを理由に反対の意思を表明したというものです。最終的な決定は、コミュニティ担当大臣のマイケル・ゴーブ氏に委ねられます。
では、詳しく見ていきましょう。
スフィアとは何か?
スフィアとは、マディソン・スクエア・ガーデン・エンターテイメント社(MSG)が提案した、巨大な目玉のような形をしたエンターテイメント施設のことです。ラスベガスにも同じようなスフィアがあり、先月はU2が公演を行いました。ロンドンのスフィアは、LEDパネルで覆われており、高さ約100m、幅約120mという巨大なサイズです。オリンピックパークの東側に建設される予定でした。スフィアのメインのオーディトリウムは、21,500人の収容能力を持ちます。
The Sphere is making a strong case for psilocybin decriminalization in Nevada pic.twitter.com/GtlqUQ01G6
— Las Vegas Locally 🌴 (@LasVegasLocally) April 11, 2024
スフィアは、音楽やスポーツなどの様々なイベントを開催するだけでなく、外側のパネルに広告やビジュアルディスプレイを映し出すことができます。MSG社は、スフィアを「世界最先端のイノベーションとテクノロジーのショーケース」と呼んでいます。
スフィアに対する反対の理由は何か?
スフィアに対しては、住民や環境団体、歴史的建造物の保護団体などから多くの反対の声が上がっていました。その中でも、最も大きな問題となったのが、光害です。
スフィアは、夜間にも明るく光ることで、周辺の住民の睡眠や健康に悪影響を及ぼすと懸念されていました。実際に、住民からは、スフィアの光が眩しすぎて、ブラックアウトカーテンを付けなければ眠れないという苦情が寄せられていました。
ロンドン市長のカーン氏は、スフィアの建設計画に対して、独立した専門家の意見を聞いた上で、光害の問題を重視して反対の判断を下しました。
市庁舎の文書によると、スフィアは「人間の健康に対する損害」と見なされ、近隣の住宅に住む「何百人もの」住民に「重大な害」を与えるとされました。また、スフィアの環境影響評価には「重大な誤りや欠落」があったと指摘されました。
光害以外にも、スフィアの建設には、巨大な電力消費量や環境への負荷、オリンピックパーク周辺の歴史的な景観や文化遺産への影響など、様々な問題が指摘されていました。例えば、スフィアは、世界遺産に登録されているグリニッジ天文台から見えることで、その景観を損なうという批判がありました。
スフィアの今後はどうなるか?
スフィアの建設計画は、ロンドン市長のカーン氏によって拒否されましたが、それで終わりというわけではありません。最終的な決定は、コミュニティ担当大臣のゴーブ氏に委ねられます。ゴーブ氏は、カーン氏の判断を覆すこともできます。
MSG社は、スフィアの建設計画について、引き続き交渉する意向を示しています。MSG社のスポークスマンは、「ロンドンの決定には失望しているが、スフィアはロンドンにとって素晴らしい機会であり、政府と協力して、このプロジェクトを実現するために必要なことをする」と述べました。
一方、スフィアに反対する住民や団体は、カーン氏の決定を歓迎しました。ストラトフォード・アンド・ニュータウン・コミュニティ・フォーラムの代表者は、「市長がスフィアの建設計画を拒否したことは、住民の声が聞かれたことを意味する。スフィアは、私たちの地域にとって不要であり、不適切であり、不利益である」とコメントしました。
まとめ
ロンドン市長のカーン氏は、スフィアの建設計画に対して、光害や環境への影響などを理由に反対の意思を表明したということです。
しかし、スフィアの建設計画は、まだ最終決定に至っておらず、政府とMSG社の間で交渉が続いています。スフィアは、ロンドンにとって新しい観光名所や文化的なアイコンになる可能性がある一方で、住民の生活や環境に悪影響を及ぼす可能性もあるということです。
皆さんはどう思いますか?